「どうしました?」


先生がやってきた。


私は黙ってオルゴールを見せる。


とたんに彼の表情が変わった。


「な…!」


嫌な予感がする。


おそるおそる開けてみると、あの時と同じ真っ白な封筒とクローバーが入っていた。


先生はクローバーを手にし、それをじっと見る。


「先生?」


「同じクローバーでも普通のクローバーとシロツメクサとアカツメクサ、さらに四葉では意味がそれぞれ違ってくるんです」


「そうなんですか?」


「ええ。シロツメクサは『約束』、『私を思って』。アカツメクサは『実直』、『勤勉』。濃い赤だと『華美でなく上品』。四葉は『私のものになって』、『幸福』。しかしこれらのどれでもないというと、意味は…『復讐』です」


「そういえばアザミもそうでしたね」


「ええ」


私は封筒を開けて中身を見た。


やはりワープロで打ったような機械的な字が並んでいる。


<この封筒、あなたの血でクリスマスレッドに染めたいものですね>


「…」


実に不気味だ。


前回と同じ、魔王をBGMに不安がじわりじわりと募っていく。


私はこれ以上、先生の悲しい顔を見たくなかった。


なので手紙を封筒と共にビリビリと派手に破く。


「流星さん」


そう言う先生の顔には不安の色が濃く表れていた。