-2008年、11月下旬-


県立、銀星(ぎんしょう)高校。


2年6組の教室では生物の授業が行われていた。


その一番前の列の真ん中の席で思い悩む、メガネをかけた漆黒の長髪の少女が1人。


その瞳は憂いの色に満ちていて、寂しい秋の夜を思わせる。


少女…私の名前は水橋流星(みずはし ながせ)。


「あること」を除けば普通の女子高生。


その「あること」とは誰にも言えない秘密。


だって私はとんでもない相手に心を奪われてしまったことに、ついさっき気付いたから。


そう、その相手はなんと今、目の前にいる25歳も年上の生物教師だったのだ…。