これだけの会話で？

「私、人といると感情伝わるから…。」

「そ…そう。」


三神するなの聞いてはいけない部分を聞いているみたいだ。


「ごめんね。気分悪くさせちゃうよね？」


「そんなわけないだろ。」


「うん。ありがとう。井波くんは優しいんだね。」


「別に普通。それに女の子に優しくするのは当たり前。」


「さすが。エロボーイ！」


「エロボーイをなめないでほしい。」





三神するなは、こっちをジッと、見て、

紅い目玉をギョロリとさせ、


「何を考えているのかな？」

怖い声色で僕にそう言った。


「いや、別に…考えてない。」


「そう。」


怖いというか、もう、これ以上は、考えたくなかった。


「いや、嘘。考えてた。」

「エロいこと？」

「そう。エロいこと。」


エロいこと考えなきゃ…。

エロは怖さに勝る。


そう逃げたい僕だった。