玄関前。

うーん…どうやって入ろう…。

「ん?入らないのか?」

何も知らないやつめ!

よし!もうこうなったらフランを隠す!

え?どうやってって?

僕を壁にしてかくすのさっ!

がんばる!なんとかするよ!

「は…入るよ。」


ゴクンっ


僕は勢いよく唾を飲み込み、


ガチャリ


ドアを開けた。






















ら、妹が立っていた。








「ぎゃあーーーーーーーーー!」




びっくりしすぎて思わず叫んでしまった。


「ちょっと何よ。お兄ちゃん。私を見て叫ぶとか、あまりにも失礼じゃない?」


やべぇ。


何も言えない。


「っていうか!その子誰?」


妹が指を指すその人は…ってか、うん。

フランしかいないね。

「私は、フラン。今日から翼の妹だ。よろしくな。」


妹は、俺とフランを交互に見つめ、


「あ!そっか!お兄ちゃん、モテないから幼女に手を出したんだね!しかも妹設定とか!なかなかやるね!お兄ちゃん!」


と言われた。



やべぇ。

泣ける。



「違うんだよ…。ちょっと訳ありの子でさー…。俺の部屋に住むことになった…。」

「ええっ?!お父さんとお母さんにはなんて言えばいいのっ?!」

ズドッ

僕は妹に土下座した。

「頼むよ!言わないで!父母だけには言わないで!」

僕はどんだけこの吸血鬼少女と一緒にいたいんだ…。

べつに違う。

僕は、学年のアイドル(?)三神するなのお願いを聞いただけだ。




「お父さんとお母さん、海外旅行でしばらく帰って来ないよ?」


「え?」

初耳だ。

「え?って知らないの?」


「知らない知らない。」

「うそー!私にしか言ってなかったのー?!」




ぐきゅる~


「お腹へった。」


フランのお腹が鳴った。

そういえば僕もお腹すいた。


「とりあえず、リビングでいろいろ話を聞かせてもらおう。」


妹様がご協力してくれるみたいだ。

妹は機嫌がいい。


よかった…。