井波 翼 17歳。

高校2年生。男。

部活特になし。 彼女いない。

好きなこと特になし。強いて言えばエロ本読むのが好き。

得意なもの特技なし。

友人多くもなく、少なくもなく。

目立つことなし。強いて言えば女の子にセクハラ。

何か…目立った特徴と言ったら、

前髪が長い。

左目だけかくれている。

僕から見て左だから、他人から見ると右だ。

周りからは、「厨2病?」など言われるが違う。

僕はそんなバカじゃないから。

そんな普通で普通で仕方のない僕が、

普通じゃなくなりました。

女の子に出会いました。

とてつもなくの美少女です。

とっても可愛い美少女です。

トマトジュースが大好きな美少女です。

強いて言えば、僕の血が大好きで大好きでたまらない、美少女です。


「見たのね?」


吸血鬼というのは、自分が食事をしているのを見られるのがとても嫌な生き物なんです。

「み…みてない!みてなんかないっ!」


うっぷっと、可愛いゲップをした美少女。

いや、大妖怪吸血鬼。

またの名をバンパイア。

「見たのなら貴様を殺すしかない。」

吸血鬼が食べていたものは、人の肉。



と、まぁ、これはだいぶ前の話になるのだが…。


「翼ー!」

「なんだよ。」

「お腹すいたー」

「知らん!」

綺麗な銀髪の美少女。フラン。

僕と彼女が出会ったのは、ちょうど1ヶ月前のある夜のことであった。