「そろそろ席、確保しに行かない?暗くなってきたし…。花火もう少しで始まるよね?」


その言葉にみんなは歩き始めた。彩花も心配したような表情のまま、みんなの後を歩き始めた。


その時、鳴ったケータイ。


「…あれ、裕太からだ。」
「裕太?メール?」

「うん…。どうしたんだろう。」


裕太は私の大事な男友達。涼と裕太は同じ高校で前は裕太と涼、彩花と私の4人で学校帰りに会ってたりした。

裕太も彩花と同じくらい私を理解してくれる。


私が最近悩んでいることも感じとってくれていた。


『今、花火大会いるよな?俺と涼、橋の近くの階段にいるんだけど。』


……なんで…。
私、涼のこと好きなんて言ってないのに。涼に会いたいなんて言ってないのに…。


「裕太、なんて?」


彩花にメールを見せた。すると驚いた顔で橋の近くの階段を見た。


「裕太、なんでこんなこと言ってんだろう。しかも、あそこに涼がいるの?」

「私、涼のこと何も言ってないのに…。」


『なんでそんなこと言うの?』



送ってすぐ裕太からの返信。




『だってまだ涼のこと好きなんだろ?来いよ。涼に会いたいだろ?』