「茜!いいの?」 歩き出した私の手をつかみ囁く彩花。 私は彩花の目を見てうなずいた。 「また会えるかわからないから、私からサヨナラしたかったんだ。涼からサヨナラされると、なんだか、もう 会えない気がして。これで最後かもしれないから、スッキリさせたかったの。」 涼と会っていた時は、いつも涼からサヨナラを切り出していた。 少しでも長く、涼といたくて涼に会わせていた。 でも、前みたいな待っているだけの私はいない。 自分から歩き出せる人になりたかった。