『準備が整いました!カウントダウンを開始します!』


アナウンスに会場にいる人が拍手をあげた。


彩花はギュッと私の手を握って人混みから抜け出すように強くひいた。


階段の前に到着した。


でも人がたくさんいて、涼が見つけられない。


「探そう!」


彩花と手を繋いで階段に座っている、たくさんの人の間をキョロキョロしながら歩いた。


『カウントダウンスタート!』
「まだ、ダメ…!!」


彩花は必死で探す。


『3――――』


涼、どこ? どこにいるの?

会いたい。こんなに強く思ったことないよ。


『2――――――』


神様、お願い。涼に会わせて。

涼。涼。涼……。