「オープニングの花火は大切な人と見たいよね。」


私と彩花は前からこう話していた。


だから?オープニングに間に合うように、彩花は必死で走ってくれるの?

「もう少しだよ!オープニングの花火、涼と見れるよ!!」


彩花は振り返って涙目の私に笑いかけた。


彩花……彩花……。


「……ありがとう…。」


涙が零れ落ちた。