その頃...

杏奈side


『そこの嬢ちゃん...』

いや、触らないで...

どけっ!

でも、私の手は空を欠く。


「......あれ?」

「あ、杏奈。起きたか。心配したぞ」

悟...

「怖い...」

「何が?」

「男と言う生物が、怖い」

怖い怖い怖い怖い怖い。

「はぁ。またか.....」

実は、前にも一度、こんな事がありました。

あの時は中3で、一人で歩いていたときだった。

『お嬢ちゃん、ちょっと来て』

と、言われ、連れて行かれたのはラブホテル。

が、悟が間一髪のところで助けてくれた。

後、悟は私にGPSをつけていたのだと言う。

GPSとか、私は犬かっ!
って怒ったのを覚えている。

で、確かまたGPSを付けられていたような気も...

ああ、だから、あの時も助けに来てくれたんだ。


それよりも、やっぱり、私は元から男嫌いらしく、
それが段々酷くなっている気がする...

「大丈夫だろ。俺は杏奈の見方だし、襲わない。安心しろ。それから、ここには俺と杏奈以外にはいないから」

悟は大丈夫かなぁ。
でも、同じ男だし。

「......皆は?」

皆、無事だったかな?
きっと無事だと思うけど。

「美玖はずっと寝てたらしいし、結衣は犯人に同情してた。で、杏樹は制御ブレスが壊れ、部屋で待機中。一番重症なのは、杏奈。お前だ。皆心配してたぞ」

「心配......そう。じゃあ、私も学校に行かなくては」

「大丈夫だ。杏奈。もう少し休んでからでも平気だ」

ダダダダダダダダダダダダッ!

バタンッ。

「はぁはぁはぁ。悟、杏樹を知らないか?また居なくなったんだよ」

あ、要。

「またかぁ?さっきも来たじゃねぇか」

またなんだ。

「って、要!?杏樹をちゃんと見てなさいよ!あの子、以外と冒険家だから」

「あ、杏奈。起きたんだ。よかった、よかった」

「それ、思いっきり棒読みじゃねぇか」

「え?そうか?ってそれよりも、杏樹何処行った~。俺のブレス持ってんだよ。それに壊れかけのレベル15級のブレス。あれじゃあ、脆すぎるんだよ」

「「確かに...」」

あの子は...

もう少し、成長して欲しい。