「はぁ......」
「結衣、大丈夫?何か凄いため息ついてるけど...」
って、
「近い!近いから。ちょっと離れて!」
なんと!
目を開けるとそこには、ドアップの秀がいた!!
ん?
何か後ろから、視線を感じる...
振り向いたら、
茶色いゆるくウェーブのかかった髪が見えた。
あ、どっか行っちゃった。
誰だったのかなぁ...
「え、酷い。そんなに近くは無かったと思うんだけど...」
バタンッ!
「先輩っ!大変です~」
えっと、この声はまさか.....
「杏樹!?」
秀まで驚いてるし...
「何で!?制御ブレスは!?へ?は?」
あ、以外にパニくってる秀って面白い。
初めてみた。
「大丈夫です。要のと、レベル10級のを二つ借りてますから。一応は制御されています。で、新聞、見ました?二股だったんですね。見損ないましたよ秀会長?」
うわっ!
何か杏樹ちゃん、キレ気味。
「待て、俺は二股などしていない。第一誰とも付き合って無いし。それに杏樹、その状態でキレられると、この学校滅びるから、ヤメテ...」
滅びるって...(笑)
そこまでは行かないでしょう。
「じゃあ、あの写真は何ですか(怒)」
ピキッ。
あれ?何か音がした?
ピキピキッ。
ピキピキッ。
「おい、杏樹、少し、落ち着け。制御ブレスが~!!それに、俺はそんな写真なんてしらないぞ...?」
あ、杏樹ちゃんの制御ブレスに亀裂(?)が走ってる...
今にも壊れそう。
バタンッ!
「あ・ん・じゅ~(怒)」
「.....げっ」
わぉ。
初めて見た!
杏樹ちゃんが要先輩の怒りに顔を歪めるところを!
そして、要先輩から、黒いオーラがムンムンッ!!
さぁ、どうする杏樹ちゃん。
「それよりも、要。さっきの写真みたでしょ?あの写真部のヤツ」
写真?
何の事だろう?
「は?そんなのあった?俺、杏樹探すのに必死で...」
以外に天然で、杏樹ちゃんにベタ惚れな要先輩であった。
「はぁ。あれを見逃すのも凄いわ...写真部が、"生徒会長、天野 秀、ついに交際か!?相手はAクラスの女子!?"と、言う見出しの新聞が...」
ピシッピシッ。
あらまぁ。
またもや亀裂が...
って、それよりも、
「秀って付き合ってたの!?知らなかった~」
「でも、秀は.....モゴモゴッ」
秀が要先輩の口を手で塞いでいた。
でも、何かヤダなぁ~。
秀が付き合ってるのって。
でも、何でだろ?
「.......はぁ。結衣先輩は鈍感。まぁ、称して鈍女衣先輩ですね」
「何が鈍感なの?それに、何かその呼び方は鈍い女医さんみたいだね」
「そこに、たどり着くんですね。普通は、まぁ、いいです。それより、秀先輩。噂が広まり始めていますよ。早く、新聞見に行かなくて良いんですか?」
「ああ、見に行く。相手が気になるしな」
「そこなんだ~☆で、杏樹は部屋に帰ろう~☆」
「何で?部屋に居てもつまらないし。それよりも、こっちのすれ違い&ライバル出現!?の事件のが十分面白そうだし」
「か・え・る・よ・?杏樹?」
あ、またまた黒いオーラが...
「.....分かった。後で、調べるから、いいや。それに、先生を急かすか」
急かすってどうやって?
まぁ、いいや。
「杏樹ちゃん。お大事に」
「どうも。では、頑張ってください。修羅場は楽しそうですよねぇ~(黒」
あれ?
気のせいか、杏樹チャンまで黒い笑みを...
「ではでは~☆」
ガタン。
で、要先輩と杏樹ちゃんは教室から出て行った。

