杏樹side

「はぁ~~~」

「どうしたの?杏樹」

「いえ、何でもないです」

何で私まで.......

それに、さっきから視線を感じる。
まさか.....

やっぱり。

『先輩方。何やっているんですか。皆さんそろって尾行?』

『んな!?杏樹!?』

『先輩方、尾行したこと無いんですか?ド素人並みですよ』

『どうして分かったんだ?』

『第一に気配で分かります。第二にあなた方の周りにいる女子の反応で分かります。以外に心配性なんですね』

『......参った』

『大丈夫です。お姉ちゃん達には言いませんから。でも、気をつけてください。しつこすぎたり、過保護すぎると、嫌われますよ。これは忠告ですから、忘れないで下さい。では』

『おいおい。言いすぎだよ』

でも、その通りじゃない。
女子だけだからってこんな田舎に変な人なんて......

「そこの子達、一緒に遊ばない?」

いた。
言ったそばから、いた。

「すみません。私達は行くところがあって、今日は折角のフリーなんで邪魔しないで下さい」

と、まずは私が言う。

で、

「いいじゃん少しくらい」

と、いつも通りに言われ、

「ダメですぅ。私達は忙しいので。貴方達と違ってぇ」

と、美玖先輩が釘を打つ。

「でも、」

と、すがられると、

「さようなら。Bye」

と、お姉ちゃんが締めくくる。

で、スタスタ通り過ぎるけど、
たまに、強行突破のヤツらもいる。

「少しくらい、いいだろ!」

と、一番小さい私と、気が弱そうな結衣先輩が標的になりやすい。

「あ、杏樹!結衣ちゃん」

「大丈夫ですよ。お姉ちゃん。あの、放してくれませんか?」

まずは、温厚に。

「ダメ~。俺と遊んでからね~」

と、言われ、今度はこっちが強行突破。

「忠告は行いました。じゃ、強行突破で行きますよ。さようなら」

ガスッ!

と、足を踏み、

バコンッ!

と、背負い投げ。

パンパンッ。

手が汚れたわ。

ちなみに相手は気絶中。

ま、結衣先輩のほうはどうしようかな?

あ、いいこと考えた。

「結衣先輩。秀先輩が、一緒にお風呂に入りたいって言ったらどうします?」

「んなっ!」

ボンッ!
今、火が出るほど真っ赤になって、

「そんな事無いでしょ!?」

と、言って、敵をぶん殴った。

ナイス。

「嘘ですよ。信じたんですか?」

「酷いっ!杏樹ちゃんは以外にも小悪魔なの!?」

「いえ。私は小悪魔じゃなくて、まぁ、悪魔に近いですかね」

一応、先輩を助けたんだけどね。

『杏樹、大丈夫だったか!?』

と、要がテレパスで聞いてくる。

『もちろんです。私があんな雑魚にやられるわけないでしょう。心配無用です』

と、要にテレパスを送って、

『結衣先輩も無事ですよ』

と、秀先輩にもテレパスを送っておいた。

『ありがとう』

あれ?
私達、何時の間に、こんな所に来ていたんだろう。

「ねぇ、お姉ちゃん。何時の間にこんなところに?」

「分からないわ。まさか.....うっ!」

バタッ。

「お姉ちゃんっ!?」

「あっ!」

バタッ。

「結衣先輩?」

「え?」

バタリッ。

「美玖先輩まで」

『先輩、助けて...』

「あ......」

そして、私は、暗い誰もいない路上で意識を失った。