超能力的生徒会 in 蝶野学園Ⅱ

次の日...

「要、要~?」

何だよ、朝から...

「そろそろ離してくれないでしょうか?」

「何を?」

「.....私を」

はっ!

俺が起きると、
俺は杏樹を抱きしめた格好で寝ていた。

「あ、ごめん。でも、杏樹って抱き心地良いから」

「それは答えになっていないわ」

そうか?
あ、それよりも、

「何で昨日の夜、杏樹は俺と一緒に寝たいって言ったの?」

昨日から気になっていたんだった。

「忘れた」

「は?」

いや、忘れたって何だよ。

「冗談よ。冗談」

「何だよ。冗談か。で、理由は?」

「言わなきゃダメ?」

と、杏樹は可愛らしく聞いてくるが、
知りたい気持ちが勝つ!!
俺は最低な男だな。

でも、知りたくないか?
普通、知りたいよな?

「言わなきゃ、離さない」

と、俺は杏樹をもっと強く抱きしめた。

「分かった。分かったからせめて腕の力を弱めて。苦しい...」

「あ、ごめん」

流石に杏樹は小さすぎた。

「だから、その、昨日は寂しかったから。だって、昔の頃の夢を見たから。だから、人肌が寂しくなって...あ、でも要がイヤだったら、今度からはお姉ちゃんを呼ぶから良いわ。うん。そうしよう」

って、途中で話が変わっているぞ!?
しかも、杏奈がこの部屋にいるとか安心できない。

「いや、別に俺はイヤじゃないから、いつでも呼んでくれて結構です」

「あら、そう?ありがと。またいつか呼ぶかも。で、もういいでしょ。離して~」

と、杏樹が俺の腕の中で暴れる。

「え~、今度は俺が寂しいからダメ。今度、秀に自慢するんだ~☆」

「秀会長に?ああ、俺は杏樹と一緒に寝たんだ~☆秀は結衣チャンと一回も一緒に寝てないでしょ?いいだろ~☆って?」

凄い。
流石杏樹。
俺の真似が上手い。

「うん。もちろん。俺の勝ち~☆」

「そうですか。それはよかったですね。で、離してください」

え~。
寂しい事を...

あ、良い事考えた!

「じゃあ、杏樹から、俺に...」

ガスッ!

「...痛い」

ちなみに今何が起きたかと言うと、
杏樹が俺の鳩尾を足で蹴った音。

と一緒に俺は杏樹を離してしまった。
ああ、あとちょっとで杏樹から愛の告白が聞けたのに...

「残念(涙)でもでも、そのうち杏樹が大きくなったら聞くからいいや」

そうだよね。
時間はまだあるんだし。

「じゃ、私は着替えるので、部屋から出てってください。今日こそは宿題をやらないと」

「はいはい。じゃあ、俺も着替えてくる」

と、言って、今日が始まった。


要side 終わり。