「はい。8人だから、これでいいよね~☆」

そんな事を話している間に要先輩は皆にカードを配られていた。

「じゃ、ジャンケンで順番決めましょうか。あ、アビの使用は禁止よ」

「え~☆」

全っ然不満に聞こえないんだけど。


「じゃあ、」

「「「「「「ジャンケンポイ」」」」」」

「わ~い。俺の勝ち~☆」

凄い!上手く2パターンに分かれた!

で、時計回りに進むと、

要先輩→杏樹ちゃん→杏奈先輩→悟君→秀→私→美玖ちゃん→慶君。


「じゃ、ゲームスタート~☆」

と、要先輩は言うと、杏樹ちゃんのカードを引き抜いた。

「あ、そう言えば杏樹ちゃんってピアノ弾けるの?」

さっきピアノの音が聞こえたし。

「私はピアノ、弾きませんよ。さっきのはお姉ちゃんです。お姉ちゃんはピアノ、フルートなどまぁお上品なものを端から端まで出来るんですよ」

へ~。

そうなんだ。

「でも、杏樹は私と逆の物をやるのよ。例えばギターとか、ドラムとか」

なるほど。

「でも、最初の頃の杏樹のギターと杏奈のフルートは聴くに耐えなかったよ~☆」

「「「え!?」」」

そうなんだ。
ってか、何で要先輩は2人の幼い頃の事を知っているんだろう。

「俺と悟と杏奈と杏樹は幼馴染だから何でも知っているんだよ~☆」

そうなのか。


「例えば杏樹って通り魔に捕まった事があったんだよね~☆」

「「「「「は!?」」」」」

「え?何で杏奈先輩達まで?」

「私もそんな事知らないわよ!?」

「ああ、だって、俺と杏樹が2人で出かけた時だったもんね~☆」

じゃあ、杏樹ちゃんと要先輩は仲が良かったんだ。

「で、杏樹ちゃんはどうやって生きて帰って来たのぉ?」

「それが杏樹ってば蹴り入れて殴ってナイフ落とさせて鳩尾に肘入れて、最後に背負い投げ~☆あれは凄かった。警察も唖然って感じでさ~☆クックック」

要先輩...
笑いが止まらないって感じ。
ま、それを見ていたら、唖然って言うより笑えただろうね。

でも、その通り魔もビックリしただろうね。

「凄いね杏樹ちゃん。でも、杏樹ちゃん、何歳だったの?」

「4歳」

4歳で、そんな事ができるの!?

「あ、でも、杏奈もそんな事があったよな」

「そうだったかもね」

「杏奈は連続殺人犯に刺されかけたよな」

「へ~。で、どうしたの~☆」

「杏奈は自分に結界を張って、刃物を突きつけられてもフツーにしていて、刺されても結界が杏奈を守って、血も出ないから、殺人犯も警察もめっちゃビックリしてたな」

杏奈先輩もそうなんだ。

「でも、杏奈先輩と杏樹ちゃんだけだよね」

「いや、結衣もあったよ」

「あれ?そうだったっけ?」

「あれを忘れられる方が凄いよ」

「あれ?そんな事あったっけ?」

全っ然覚えていないよ。