「そう言えば杏奈。お前、最近要にも優しくなったよなぁ。何があった?」
「え?別に。何となく。」
いや、あれは何となくのレベルでは無かった気がする。
なんとなくでここまでマシになるか?
「何となくじゃないだろう。あの態度からここまで変わるには理由があるだろ。教えろ。気になる」
「え~。だって、要が杏樹を説得してくれたじゃない?それで杏樹は元気になったんだし。だから、少し要を見直したってだけよ。じゃ、私お風呂入って寝るから。今日はありがとう。お休み。良い夢を」
「ありがとう。でも、あんまり要に引っ付くなよ」
「え?何?もしかして、悟、嫉妬?」
んなっ!?
まぁ、そんな様なもんだけどよ。
ざっくり言いすぎじゃね!?
「さーとーるー?聞いてる?で、ヤキモチ妬いてくれたの?」
「まぁ...そんなもんだ」
「あらぁ。ありがとう。悟もまだ可愛いわね」
「可愛いは無いだろ!?俺男だぞ!?可愛いとか侮辱以外に聞こえないが!?」
「え~でも、悟がまだちっちゃい頃は『杏奈お姉ちゃん大好き♡大きくなったら僕のお嫁さんになって!』って言ってて可愛かったわ。あの頃に戻らないかしら」
「んな昔の話はするなっ!さっさと風呂入って来い!」
「酷い~。ま、入ってくるけど。寂しくて、泣かないでね」
泣くわけあるかっ!
「泣かねぇよ!俺は寂しくないし」
「あらあら。意地張らなくていいのよ。悟ちゃん。一緒にお風呂入る?」
「入るわけねぇだろ!このバカ杏奈っ!つかさっさと風呂入れ!」
「はいはい。じゃーねー」
はぁ。
やっと風呂入ったよ。
アイツってばいっつもあんな感じ。
もう、クリスマスまであんなか。
まぁ、あれが杏奈なんだけどな。
しかたないか。
じゃあ、俺は寝よう。