「結衣ってば何か知らないけど、
俺に凄い怒っていただろ?」
まぁね。
そりゃ、怒るでしょ。
「ちなみにまだ怒ってるよ」
「ふーん。そっか。何で?」
何でって...
「言わない」
と言うか、言えない。
口が裂けても言えないってやつですよ。
「そっかー。でも、俺ってそういう風に言われると無理やりにでも吐かせたくなるんだよね」
え?
何そのドS発言...
しかも、一応秀って紳士キャラだった気がするんだけどな...
「と言う事で、」
秀はそう言って、
スクッっと立ち上がり、
1人用ソファーに座っている私の目の前に来たと思ったら、両方の肘掛に手をついて...って、
「顔が近いんだけど...」
顔が凄く近い。
「だって、それが狙いだし」
秀ってあれか、
漫画とかによくある、
可愛い女の子だと思ったら、
計算高くて、腹黒くて、小悪魔みたいなタイプ。
女の子だったら、凄いモテるんだろうな...
あ、でも男のままでも十分モテてるか。
「で、教えてくれるかな?」

