「あ、あとは『金魚でも覚えられる数学公式の覚え方』って言う本が出たんだけど、いる?」
ぐっ...
私はそんなにバカじゃないっ!
酷いっ!
しかも、なぜに金魚!?
そして、なぜ持っている!?
相変わらず、ネーミングセンスが...
「う~ん...あと、何かあったかな...」
お、ネタに詰まってきたか?
あと少しで私の勝ちっ!
(既に趣旨が変わってきている)
「酷いよ、結衣。シカトするなんて...それっていじめなんだよ、知ってた?」
え?え?え?
何でそんな目でみるの~!?
その、縋るような目をしないで!
これじゃあ、まるで私が悪者みたいじゃん!
元はと言うと、
秀が悪いのにっ!
「結衣ってば、俺の事嫌いなんだ...ごめんね。そこに座りながらも、『うざい』とか、『さっさと消えないかな』とか思ってるんだ...知らなかったよ」
うん。
そのネガティブさはウザイかな。
とてつもなく。
「俺、生きている意味の無い人間なんだ...そっか。そこの窓から紐無しバンジージャンプでもしようかな。ははは」
怖い怖い!
しかも、だんだんと目が本気に!?
「あ、でもここって5階か。せっかくだから、222階くらいにしようかな」
......
「ここには222階なんて無いし、それって完全に色々と私への皮肉が入ってるよね!?」
はっ!
つっこんでしまった!
「やぁっと喋ってくれたね。結衣」
ちっ。
罠にまんまとはまってしまった...

