超能力的生徒会 in 蝶野学園Ⅱ

要 side


「私は要にとって、お荷物ですか?もしも、もしも要が望むなら、婚約破棄だって出来ます。まぁ、私は5つも年下ですから、こうなる事も分かっていましたけど。どうしますか?」

.....何か凄い罪悪感。

杏樹は絶対に誰にも甘えないし我が侭を言わない。
でも、年齢的にはまだ甘える年頃だし、我が侭を言う頃。

溜めすぎにならないか、心配だった。
で、やっぱり色々と溜め込んでいたみたいだ。

まぁ、全部俺のせいだけど。

「杏樹はどうしたい?」

俺よりも、杏樹の答えのほうが知りたい。

「.....私は...私は、イヤです。出来れば、破棄したくはありません。でも、私と違って、家に縛られていない要は無理に私と一緒にいる必要はないんです。でも、やっぱり家に縛られていても、私は要じゃない人と結婚するのはイヤです」

...何か、ちょっと日本語が変だが、
大体、言いたい事は分かった。

「要するに杏樹は俺が良いと?」

「...まぁ、率直に言えば、そうです」

なる程。
これほど嬉しい事は無いな。

そういえば、そうだったな。
杏樹は唯一、月ノ宮家の本妻と現当主の娘だった。

と、言う事は杏樹は将来、月ノ宮家を引き継がなくてはならない。
だから、家に縛られるって言ったのか。

なんだか、杏樹が可哀想に思えてきた。
小さいのに、家とかに縛られて。

「要。私は同情とか、一切いりません」

分かってる。
それに、俺は婚約、決まったときから、
決めていた。

「杏樹。俺は婚約破棄はしないつもりだよ」

「.....本当ですか?」

「本当。と、言うか俺、元から杏樹以外、本気じゃないし」

「その発言、ちょっとどうかと思いますよ」

まぁ、そうかも。

「それに、それじゃあ、要にロリコン疑惑をかけなくてはならなくなります」

ええ!?

「俺、別にロリコンじゃないんだけど...って、そうだった」

「スースー」

ね、寝てる...
そうだった。

杏樹、熱が凄かったんだ。

早く治さないと。

「って、動けない」

杏樹が俺の服を離さない。

まったく。
可愛いもんだ。



要 side 終わり