超能力的生徒会 in 蝶野学園Ⅱ

杏奈&悟' room


「ねぇ、悟。私の考古学の本しらない?」

「知らねぇ。ってか、そんな本持ってたか?」

「うん。杏樹から貰ったの。あと、『良いエッセイの書き方』って言う本。凄くためになるわよ。悟も読む?」

杏樹ちゃん.....
どんな本を持っているの?

「読まねぇよ。って、杏樹は漫画とか普通の本は読まないのか?」

確かに。
見た事無いな。

「あの子は読まないわよ。いっつも、外国の本をその国の言葉で読んでるわ。凄いわよね。どうやったら、あんなに小さな頭に入るんだろうか」

外国の本をその国の言語で?
凄っ!

「でも、全国の本ではないだろ?」

「いえ。あの子の本棚を見てみなさい『日本語』『English』『Deutsch』『中国的』『Español』『Français』って書いて分かれているの!しかも、他にも全国の本が集められているわ!特に英語とドイツ語欄が凄かった...確か、グリム童話が全てドイツ語の本で集まっているの!もう、部屋が書斎ね。あれじゃあ」

今度、見せてもらおう。
気になる。
それに、原書ってどんなのか見てみたい。

「......どうやってそんなに沢山の本を集めているんだ?しかも、資金は?」

「本はama●onで取り寄せているみたい。で、資金はバイトして稼いでるらしいわよ」

......バイト?

「バイト?」

「ええ。もしかして、知らなかったの?」

「ああ。何処で?」

「決まっているじゃない。能力を全く使えないように一番強力なブレスをつけて、顔を出さずに歌手をやっているわ。あの、最近売れてる【A.T】って言う名前。あれ、杏樹」

嘘ッ!
あの歌手って杏樹ちゃんだったの?

確かに、似ているなぁ、とは思ったけど。
まさか、本人だったとは。

でも、皆A.Tって言うのが面倒くさいから、アットって読む人もいるんだよね。
A.TってAnju Tsukinomiya のイニシャルだったのかぁ~。

ネットで騒がれているよね。
どんな人なんだろうって。

「はぁ~...そりゃ、馬鹿でかい収入だろうなぁ」

「まぁね。でも、バイトしてるのは杏樹だけじゃないわよ」

ど、どういうこと?

「まぁな。知念以外は皆、バイトしてるもんな」

は~...私以外、皆。

知らなかった。

「よし、結衣。次、行くか~」

「いや。もうちょっと残る」

秀がどんなバイトをしているのか気になる!

「確か、悟は普通にコンビニの店員だっけ?」

「そうそう。で、杏奈は喫茶店のメイド」

「うん。要は、まぁ、見た目通りにホスト&執事喫茶でしょ」

「ああ。で、美玖はキャバクラ。年齢的にいいのか?」

「そこは分からないわ。で、慶が本屋」

「最後に秀がモデル」


モ、モデル!?

「いいよな~、杏樹と秀は要達みたいに変に凄い仕事じゃないのに、儲かって」

「でも、杏樹は売れるまで大変だったらしいわ」

「まぁ、歌手はな。でも、秀は瞬く間だったよな」

「あれは凄かったわ。学園まで人が押し寄せて.....でも、私はアイドルにならないかって誘われたわ。でも、悟がダメって言ったんじゃない」

「いやだね。杏奈がアイドルになったら、毎日が......考えるだけでも、いやだな」

ラブラブですねぇ~(ニヤニヤ

「よし。秀。次に行こうか」

「......ああ」