要side


「...........」

まず、俺は一番最初に入った部屋に杏樹がいるのを知った。
で、入った。

そこまではいいんだけど、

「何で杏樹は血だらけなのさ...もしかして、怪我でもした!?」

「ああ、これは魚の血ですよ。しかも、私は無傷」

...?
何故に魚の血?

「ちなみに、理由はちゃんとありますよ。まず、私はちゃんと学習する人間なので、最近はずっとお腹の位置に魚の血を入れたビニール袋を設置しているんです。なぜかと言うと、もう5回もお腹を刺されているので、そこから学習した事です。で、そのビニール袋の下には鉄のまぁ、腹巻みたいなのをつけてますから、魚の血が私に入ってくることは無いのです。以上」

説明長っ!

でも、まぁ良く分かったよ。

で、
「何で周りの人達は杏樹を崇めているのさ」

「ああ、それはこの人たちのリーダーが来て、私の腹部を刺してきて、で、倒れたふりをしてで、油断した隙に気絶させたので、自分達の新しいリーダーに相応しいとかで」

なんじゃそりゃ。

「そうっす!小さいのに、前のリーダーを倒したんっす!姉さん!かっこ良かったっす!」

姉さんって.....

「「「姉さん!俺らの頭領になってくだせぇ」」」

「それはダメだ」

杏樹が頭領って...

「だ、そうです。ごめんなさい。」

「「「ええ~~~」」」

「でも、たまになら、組に顔を出してもいいですよ。で、あなたたちを鍛えてあげましょう」

おいっ!

「本当っすか!?約束っすよ」

「はい。じゃ、お気をつけて」

「「「はいっ!ではまた今度っす!いつでも組に来てください!大歓迎っす!」」」

「あら。ありがとう」


で、俺らは要太の所に向かった。

.....俺は何のためにあそこにいったんだ?

ってか、何か臭い。
何か腐ってんじゃない?
しかも、暗いし。
電気つければいいのに。

「で、何で要はさっきからムッとしているんですか?」

「ムッと何かしてない」

「してるじゃないですか。そんなに組が嫌いなんですか?別に犯罪犯しているわけじゃないし。いいじゃないですか」

そう言う問題じゃない。
杏樹に危険が及ばないだろうとは大抵あの人達の態度で分かるけど、違う心配なんだよ。

「あ、ヤキモチ?」

まさか、杏樹からこんな単語が出てくるなんてッ!

「誰から教えて貰ったの?そんな言葉」

杏樹は大の鈍感だぞ!?
結衣チャンよりはマシだけど。

「結衣先輩です」

「何で結衣チャン!?あんな鈍感娘が何で!?」

「ま、それより、私、正解ですか?」

珍しく、杏樹は綺麗な青い瞳をキラキラさせて聞いてくるけど、

「さぁ。どうでしょう」

教えない。
だって、何となく恥ずかしいから。

俺、徐々に女っぽくなっているな。

「イジワルですね。ま、ちゃんと来てくれたって事は心配したって事ですよね。ありがとうございます。あと、心配をおかけしました。と、言う事でおあいこです。さ、行きましょう」

「ああ。」

「あ!そういえば、あの作戦。要は参加でいいですよね」

あの作戦?

ああ、あれか。

「ああ。モチロン☆こんなに面白い話を断る気はサラサラ無いから」

「ですよね(黒ニヤッ」

「ああ(黒ニヤッ」

ま、杏樹も無事でよかった。
一件落着?

が、新しい俺らの作戦が始まった。




要side 終わり