超能力的生徒会 in 蝶野学園Ⅱ

杏樹side

「ごめんって杏樹~」


折角人が心配をしてあげたのに、
酷い仕打ちです。

もう、要なんて知りませんっ!

でも、要が影ノ宮に帰らないと聞いたとき、少しだけ。
ほんの少しだけですよ?
ホッとしてしまいました...
不謹慎ですよね。


「.....私はお姉ちゃんの事が好きです。しかし、今は私では無く、悟さんにお姉ちゃんを任せますよ。ちょっと寂しいですが、私はお姉ちゃんに、今、必要とされていないと思いますし」

一番おいしい所を持っていくな。悟さんは。

さて何時、悟さんは私の義兄さんになるのでしょうかね。


「ねぇ。杏樹。杏奈は杏樹が必要無いとは思っていないと思うケド。それに、俺は杏樹が必要だよ~☆」

.....ッ!?

はぁ。
何という人でしょうね。

こんな恥ずかしい台詞を普通に言うなんて、ちょっと何処かオカシイんじゃないでしょうか?

「.....そうですか。ま、私は要の面倒でも見ている事にします。仕方なく」

「杏樹ってツンデレだよね~☆ま、杏樹が一緒に居てくれるなら、嬉しい極まりないケドね~☆」

私は何時、ツンデレと言うモノになったのでしょうか?

なった覚えは無いのですが。

「いや、杏樹はどちらかと言うとデレ無いから普通に素直じゃないって所かな」

「私はとっても素直ですよ。常に」

私以上に素直な人はいないっと言うのが普通でしょうが、私以上に素直な人は普通に沢山いますね。


「と、言う事で杏樹は俺の添い寝して。それが、杏樹の仕事」

「イヤです。それに、私はまだ小学6年ですよ?はっ!もしかして、要ってロリコン!?」

「いやいやいや。杏樹。俺は決して、断じてロリコンでは無い。それに、杏樹には大きくなったら、色々として欲しい事が沢山あるけど、今は早すぎるから、俺は添い寝で我慢してるんだよ~...って、杏樹。もしかして、変な想像でもした?」

「べ、別にしてません。それと、添い寝はしませんから」

変な想像なんてしてませんよ!
うん。
してません。

あと、大人になりたくないと思ったのは、これが始めてです。

「え~~~.....」

不満そうに言ってもダメです!

「お願い~...杏樹ぅ~」

うっ...

そんな目で見ないでよ。


「はぁ~...仕方無いですね。手だけなら繋いであげます。はい」

結局負けるのは私なんですよ。
いつも。

「え~?」

「イヤならいいですよ?」

「いえ。繋がせていただきます」

私は要の手を取った。
要の手って暖かい。

「杏樹の手って冷たいよね。いっつも」

まぁ。
私の手は氷のように冷たい。
だから、要と手を繋ぐといつもは冷たい手が暖かくなる。

不思議な感じがします。
でも、不快な感じはありませんがね。

悟さん。
お姉ちゃんをお願いします。
あとはお姉ちゃんだけです。

たぶん、このバカはもう大丈夫ですから。
私がついていますし。
大丈夫じゃなかったら、しょうち、しませんよ?
要。







杏樹side 終わり