超能力的生徒会 in 蝶野学園Ⅱ

要side


「大丈夫ですか?」

「何が?」

正直、杏樹が何を心配しているのか分からない。


「えっと、だからもう、気が済みましたか?って言う意味も含んでいたのですが...と言うか離してくれません!?」

「え~~~?もうちょっといいでしょ~☆」


俺はさっきから、
後ろから杏樹に抱きついていた。


「暑苦しいんですけど...」

「嘘だね。今、冬だし~☆」


残念。
いつもの言い訳は使えません。

「それより、結衣チャン達、勝ったかねぇ~☆」

「あ、それですが、あの2人、勝ちました。しかも、秀先輩が手加減無し勝負で勝利を手に入れました」


あ~~.....

手加減無しの秀か...

思い出したく無いな。


俺、何回か手加減無しの秀と戦った事があるけど、
あれは脅威だ。

もう、レベルで表せるものでは無い。


「要が落ち着いてくれたのはいいのですが、真面目に離してください。しかも、何してんですか!?」

「え~☆杏樹を引っ張っているだけ」

「何のために!?」

え~?
何でもいいじゃん。

なんとなく近くのが安心するし。

「あ、そういえば。杏樹、俺、決めたから」

「いや、何が?」

杏樹は俺の腕を振りほどこうと頑張っている手を止めた。
しかも、敬語じゃなくなっているし。

「俺、要太に決闘を申し込むから」

「また、どうしてそんな急に?」

急って.....

俺は苦笑しながら、

「ケジメをつけるには、そのくらいしないと。杏樹だって分かっているでしょ?」

昔、杏樹は自分に告ってきた奴がシツコイから、追っ払うために決闘をその男子に申し込んだ事があったな。

いや、杏奈もあったか。

変な奴に好かれるよな。


「.....まぁ」

と、杏樹は苦虫を潰したような顔をして言った。

「そ☆理解が早くて助かるよ」

「でも、もしかしたら、要太さん。あの人、要に助けを求めに来たかもしれませんよ?」

助け?
今更なんの?