「お姉ちゃん、大丈夫でしょうか?」

珍しく杏樹ちゃんが心配そうな顔をしている。


「杏奈は大丈夫だろう。それよりも、俺ら、試合に出ないと」

「.....そうですね。要、落ち着いて試合に出てください」

「.....分かっている」


杏樹ちゃんと要先輩、いきなりシリアスになってる。
でも、何で杏樹ちゃん、要先輩に落ち着いてって言ったんだろう?

不思議。



「スタート」


「ファイヤーボール」

ボカンッ。

杏樹ちゃんは躊躇いも無くデッカイファイヤーボールを相手に投げつけた。


「.....ふ~ん。杏樹、綺麗になったんだな。それに強くなった」

「黙れカス。杏樹は俺のだ。たやすく、杏樹の名前を呼ぶな」


要先輩、何か怖い。
それに、殺気立っている。

もしかして、あのフードを被った男の人って.....

要先輩のお兄さん!?


フッ

あ、黒フードの人が消えた。

もしかして、瞬間移動のアビ?


「でも、詰めが甘いんだよ。要は」

「うはっ.....」

「要ッ!」


要先輩は背後に回って腕を伸ばし、
要先輩の鳩尾にパンチをした。

痛そっ.....

「要太さん。何の、用、で、ここに、来たの、ですか?」

杏樹ちゃんは点の度に要太さんの攻撃を避けている。
よく避けられるよね。

「俺はちょっと、杏と一緒にやる事があるんだよね」

「それは何ですか?結界」

杏樹ちゃんは結界を張りながら要太さんに色々と質問をしていた。


「それは、いくら杏樹の頼みでも言えないな」

「そうですか。でも、今は全力で行かせていただきます」

そして、杏樹ちゃんは制御ブレスを取ると、


要太先輩ともう一人の先輩に杏樹ちゃんは、全力をぶつけた。





って、言うか制御ブレスって、
結構外しても良い物なの!?