好きなのは 私だけじゃなかったんだ…… 「里美……!!」 リュウが伸ばしてきた手を振り払う。 パシン 乾いた音が響いた。 「触んないで………」 「里美…!!違っ……」 「もう、リュウなんて知らない!!」 「さとみ!!!」 私は走り出した。 リュウの、私の名前を呼ぶ声が聞こえないところへ 早く行きたかった。 あの人にキスした唇で 私にもキスしてたの? 「っ……!」 そう思うと悲しくなって涙が溢れてきた。 もう リュウのことよく分かんない。 リュウのこと 信じられない………