タタタッ…
「はぁ……」
てきとうに走ってきちゃったけど…
自分がいまこの試合会場のどこにいるのか分からない……。
もう嫌だ…
走って来なければ良かった……。
あの二人見て…
私…ヤキモチやいたんだ……
だから逃げ出してきちゃったんだ。
自分がよく分かんないよ……。
なんであんなにモヤモヤしたんだろう?
香織は私の大切な友達で………
リュウは……
私にとって………
「………………。」
でも今は取りあえず知ってる人をみつけて、
女バレのみんなのところに行かなくちゃ…。
そう思っていたら…
「里美……!!」
前からリュウが走ってきた。
なんだか気まずくて目が合わせられない。
沈黙………。
ど、どうしよう……
でも、沈黙を破ったのはまたしてもリュウだった。
「あのさ…次の試合、決勝なんだ。」
!!!
ウソ…
もう決勝!?
「勝つから。」
ドキンッ
真剣な顔……
「お前を県大会につれてくから」
リュウ……
「絶対…勝つから」
どうしよう
「じゃあ、もう行くな!」
気持ちが溢れそう。
走り去っていくリュウ。