恋が生まれる瞬間

「戸田、お前1番で俺にバトン持ってこいよ」

「へっ?」



今日、何度目の不意打ちだろう、もう慣れっこになってきた感さえある。



「お前、ホントボーッとし過ぎ」

「ハハハ…すんません」

「放課後な」

「はい、お手柔らかに」


軽く頭をポンポンと叩いて追いぬく鳴瀬君を見送ると、その先にこっちを見ている杏子ちゃん…


その顔は、怒っているとも笑っているとも分からない無表情。

それが逆に怖い。