恋が生まれる瞬間

私は、なんとなく視線を感じて、後ろの席を振り返ると、こっちを見ている鳴瀬君がいた。



鳴瀬君は、私と目が合うと、小さくピースをした。

「…っ!?」



驚く私を余所に鳴瀬君は再び友達とのじゃれ合いに戻った。



……なんだったんだろう?





「おーい、里香どこ行っちゃてんの?種目別に打ち合わせだってよ」

目の前に手をヒラヒラとさせる真由ちゃん



「えっ?何?」



「だから、種目別に集まって打ち合わせだって!里香リレーでしょ。あっち」