恋が生まれる瞬間

席に戻ると、鳴瀬君は他の男の子達と話していて、鳴瀬君の席には杏子ちゃんが座っていた。



「里香、リレー走るの？」

「うん、ほぼ、鳴瀬君に決められちゃった感じだけど」

「えっ？鳴瀬って、あの鳴瀬？」



杏子ちゃんはすごく驚いた顔をしながら、教室の隅で友達と雑誌を一緒に呼んでいる鳴瀬君を指差した。




「そうだよ。なんか去年、一緒の組でリレー走ってたらしくって」


「ふーん、里香って鳴瀬となんかあんの？」


「えっ？」