恋が生まれる瞬間

この前って……




「あれは、ほとんど鳴瀬君に引っ張られてたから」

「いいの。お前はリレー。俺の名前と早く書いてきて」



背中をポンと押されて思わず転びそうになった。




後ろを振り返ると、鳴瀬君は「早く行け」と手をシッシと振っている。




あまり気乗りはしないけど、黒板の男女混合リレーの欄に「鳴瀬・戸田」と書いた。