「嘘だよ。俺、戸田のペースに合わせるって決めたから、お前の『心の準備』ができるまで何もしないよ」 「……うん」 「だけど、これは許して」 そういってサッと私の左手を握った。 ――もう、鳴瀬君 ますます赤くなってるだろう顔を気にするのは止めよう。 いつだって鳴瀬君は私をドキドキさせるんだから。 初デートは、何回ドキドキさせられるんだろう。心臓もつかなぁ……