恋が生まれる瞬間




「…頑張ります」




「それから――」


『はい』と右手に握らされた冷たい感触
そっと握った手を開くと




「………っ!」


「いつでもおいで」

「な…る…せ君…フエーン」



そこには、いつか貰ったものと同じビーズ細工のイルカのついた部屋の鍵。
それはきっと、鳴瀬君のこの春から暮らすアパートの鍵


嬉しさに込み上げた涙を止めることなんてできるわけもなくて、ココが外だと言うコトもすっかり忘れ、子供のように声を出しながら泣いてしまった。