恋が生まれる瞬間

「ごめん」と言って、真由ちゃんと小走りに駆ける。






「里香さ、よかったね」

「……うん。ありがとう」

「なぁに?幸せすぎて実感わかないとか?」

「そんなんじゃないよ」

「またまたぁ」



私の反応は、どうしたって幸せな方向に結び付けられてしまう。

本当は、これから先があるのかも分からないのに……



「でもさ、里香はどうかわかんないけど、鳴瀬にとっては長い冬がやっと明けたんじゃない?」


ずっと前を歩く鳴瀬君の後姿を眺めながら南ちゃんが呟く。


「だってさ、私が言っ立って内緒ね。アイツが里香を追いかけ始めたのって、中学からんだから」