「里香、受験票持った?」

「さっきから何回も言われなくても大丈夫」


「あんたは、ちょっと抜けてるから、早めに行きなさい!」

「分かってる。行ってくるね」





「よし」と一言吐いて玄関のドアを開けると、昨日振った雪に朝日がキラキラと反射して、一瞬目がくらんで、ギュッと目を瞑る




暫くして目が慣れてくる頃、そっと目を開けると、門の外に立つ鳴瀬君の姿がそこにあった。