恋が生まれる瞬間

「はい!」




まるで体育のときの整列のように直立した私を見てフゥーっと大きな溜息を吐いた。



「ごめん、こんな時間に俺が一人にしたんだよな。悪い」

急に力弱い声で謝るから、キュンと胸が痛む。





「鳴瀬君のせいじゃないよ。私がボーッとしちゃったから。ごめんなさい」


「いや、怖かったよな。ごめん」




そしてポンポンと頭を軽く叩いた。


お互い向き合って下を向く私達は、他の人から見たらどう見えるのだろう。