恋が生まれる瞬間

背中に、杏子ちゃんの視線が突き刺さってくるのが分かる。

だけど、もう振り返ることはしない。



「ちょっと…鳴瀬」

遥か後方で悲鳴に似た叫び声をあげる杏子ちゃんに、優越感を持った。




――鳴瀬君が杏子ちゃんより私を選んでくれた


そう思えただけで、段々小さくなっていく杏子ちゃんなんて気にならなくなっていた