恋が生まれる瞬間

杏子ちゃんの言葉を遮ってから、私の手を離して、正面に向かい合うように立った鳴瀬君。



真顔で私の顔をジッと見つめて立つ鳴瀬君を、正面から見ることなんて今の私にはできない。





ドクンドクン






――お願い、もう少し静かになって心臓







「な・・る…せ君?」

あまりの緊張に、震える声で発した言葉は途切れ途切れ名前を呼ぶことが精一杯で、上手く伝わったのかさえも分からない。



鳴瀬君は、そんな私の手を取り「行こう」と歩き始めた