恋が生まれる瞬間

ふと顔を上げると少し困ったような顔をしている。



「あのさ、平気なの?」

「えっ?」

「だから、家。遅くなるって連絡した?」




鳴瀬君の隣には、さっきまでいて杏子ちゃんがいない。


今日初めて、まともに鳴瀬君と話した気がする。





「ね、聞いてる?」

「あ、ごめん。聞いてるよ。さっきお母さんにメールした」

「あっそ。で、どうすんの?」



炎に背を向けて立つ鳴瀬君の顔は暗くて良く見えない。