「もういいよ、戸田」 さっきまでの挑発する顔から柔らかい笑顔にコロッと変わった富田君は、こっちへおいでと手招きしてる。 私は、さっきまでの緊張から解放されたせいか、急にプルプル震え始めて、上手く立ちあがれない。 「富田君ありがとう。でも…私ちょっと…」 自分でも情けない声が出ていると自覚できるほど、その声は小さく震えていて、富田君は「ハハハ」と笑いながら手を貸してくれる。