鳴瀬君は、私の泣き顔を見て、一瞬驚いた顔をして、すぐに「ばぁか」と口だけで言って、消えた。 「……」 「さ、帰ろうか?」 「そうだね。ランチして久々カラオケでも行く?」 「いいねぇ」 「じゃあ、早く行こ。1日しかない夏休みだからね。里香、ボーっとしてると置いてくよ」 「ほら、早く!」 真由ちゃんに手を引かれ、私達は競技場を後にした。