恋が生まれる瞬間

「いよいよだね」

「うん」

「勝てるといいね」




私達のいるところから、鳴瀬君の走る所までは、少し距離があって、鳴瀬君の表情までは見えない。




でも、きっと緊張してる。




だって――



鳴瀬君、いつも左足からスターティングブロックに足を乗せるのに、今日は右足から乗せてる。




『左から乗せるゲン担ぎ』って前に言ってた。