恋が生まれる瞬間

私も、トトトっとその後を追いかける。



「もう少し、時間あるね」

腕のデジタル時計を見ながらニコッと笑う鳴瀬君。




あまり大きな駅ではないので、改札をくぐると、すぐそこがホーム




「戸田さ、なんで陸上やめたの?帰り時間のコト?」



「えっ!あ、うん。部活やってると間に合わないから。

高校入る時、親は反対したの。通学に2時間もかかり過ぎだって。

私、反対押し切って受験しちゃったから、自分で責任持てって言われて」




鳴瀬君は、無表情で聞いてる