恋が生まれる瞬間



特に会話もないまま



ゴトン


カウンターにコップと丼を置いて「ごちそうさま」と言う鳴瀬君。




私も続いて丼をカウンター上に乗せようとすると、サッと私の丼を返してくれた。



「あ、ありがと」

「どういたしまして。出ようか」

「うん」





『ありがとうございました』というおじさんの声を背中に受けながら暖簾をくぐる。


外は夕方の冷えた風がサ―っと吹いて、おそばを食べて温まった体に心地よい。