恋が生まれる瞬間

まだ行くとも返事してないのに、鳴瀬君は私の鞄を持ったまま教室を出て行った。


「え?ちょっと…」

まだ、送ってもらうって言ってないんだけど。





私は、足を引きずりながら随分先に行ってしまった鳴瀬君を追いかけて教室を出た。



下駄箱をで靴に履き替えて外へ出ると、自転車に跨った鳴瀬君がいた。



「乗って。」

「うん、ありがと。おじゃまします」


「『おじゃまします』って…お前」




どうも鳴瀬君のツボに入ったらしく、肩を揺らしながらクツクツと笑っている。