恋が生まれる瞬間

バトンを受けっとった瞬間、目の前に見える、1位の子達がバトンを渡すタイミングを外したのが見えた。


少しだけスピードが落ちている。



――いける!



その瞬間、私の中にあるスイッチが入った。





風の音を感じる。
さっきまで聞こえていた応援の声も太鼓の音も聞こえない。




頬を切る風の音がするだけ。

まるで、このトラックに自分だけが走っているような錯覚さえおこしそう。