「野中くんは、先月行われた…」




一歩前にでて、真直ぐ前をみる野中くんからもう目が離せなかった。

まるで王子様を見つめている気分。




整った顔に、がっしりした筋肉が学ランを着ていてもわかる。






―そう、あたしの好きな人。

大好きな人。






こっちを見てるわけないのに、野中くんが少しだけあたしの方をみた気がした。


それだけで幸せ。





なんてかっこいいの…?







そのまま賞状を受け取って、また列に戻って行く。

同じ部活の男の子にちょっかいだされて、少しだけ笑った。