「先輩そんなんじゃ俺負けないっスよ?」
「調子乗んなボケ。後輩に負ける先輩がどこにいるか。」
「先輩が負けることになるっスよっっ!!」

一瞬の隙をついて真尋が背負い投げの体勢に入る。
なるほど、柔道を使っていきますか…なんとも真尋らしい。
ですが、それじゃあ日下部先輩は倒せませんよね。

「まだまだ負けねぇよ!」

日下部先輩の捕まれていた筈の手がするりと抜けた。
真尋の背中を押すように空中へ浮く…。

この人の強さはきっと体の身軽さでしょうね。
この試合、ただひたすら真尋の不利が続くでしょう…。

「なぁ天苑、真尋先輩勝てると思うか?」
「さぁ、私には分かりかねますね。」

勝てるか分からない…そんな中にいるのは私達じゃなく真尋本人。
今取っ組み合いをしてるなかで、実力差を一番分かるのも真尋で、一番頑張ってるのも真尋で、諦めてないのも真尋なんです。

圧倒的不利な状況でも、諦めてない真尋の精神。見せてもらいました。


ですが…