別れることは寂しいです。 ですが、一人じゃない。 待っててくれる人がいる。 それがどれほど心強いか、幼い私はまだ分かってなかった。 「おかえり天苑。お疲れ様。」 「ただいま。次は漣斗の番だね。」 「あぁ、そうだな。」 きっと今、珀炉は嬉しそうに笑ってるんだろうね。 私が………… 『卒業生答辞。 卒業生代表十該漣斗。』 名前を呼ばれ壇上にあがる漣斗は、 いつも生徒会室で怠けていることは想像もできないくらい 凛々しい姿で立っている。