『天苑の髪は真紅に似て綺麗ですね。』 「そう、なの?」 『えぇ。綺麗な黒髪だ。』 「ありがとう!」 だから、ダメなんですね。 お兄様は大好きなお父様にそっくりだから、 やっぱり殺すことなんて… ……どうか珀炉が無事でいますように。 どうか怪我もしないように… お父様、お母様、 どうか、珀炉を守ってください… 私は守れないので… もっと強くなりたかったです… 誰も悲しまない選択が出来るようになりたかったです… 弱い私を、どうか許して…