─────────────── あの日の私はまだ幼くて、 けれども、両親を助けることぐらいはできた。 お母様にそっくりな私はお父様には似てなくて、 お兄様はその逆だった。 お母様のような、真っ黒い長い髪に、瞳の色。 性格もそっくりと言われたほど。 だからこそ、私は、 お父様に似たかった。 お父様に似ていたお兄様が羨ましかった。 だから、 両親がいなくなった時には、少しでもお父様のいた証を残したかった…