その声は想像以上に大きくて体育館内に響き渡る。


観念したのか星夜が口を開きかけた瞬間……────




『逃げなきゃダメじゃんか。

せっかく仲間が時間稼ぎしてたのに。』


…体育館南入り口。
ステージから一番遠い所からの声。


いつか聞いたことがあるような気が……



けれど確実に私はこの声を知っている。


「天苑!逃げろ!!」


どこからか珀炉の声まで聞こえてきて
もうどうすればいいんですか。


『珀炉君、まだ動けるのか。

さすが天苑と一緒にいるだけのことはあるね。

けど、僕相手じゃそれも“無意味”だよ。』



珀炉の知り合い…?

いや、私の知り合い…。



「止めろ!千騎さん!!」







    ーー 千騎 ーー